睡眠中に10秒以上の無呼吸や低呼吸が、1時間あたりに5回以上認められる場合を睡眠呼吸障害(SDB)といいます。睡眠呼吸障害に、睡眠中の覚醒や熟眠感の欠如、日中の倦怠感、日中の眠気、集中力の低下などの症状があった状態を睡眠時無呼吸症候群(SAS)と呼びます。
また、SASは呼吸障害であると同時に不眠や熟眠感の欠如などの症状を伴う睡眠障害でもあります。
生活習慣病との関係もあり自覚症状のある方は早めに検査、治療をすることによって、生活の質をあげると共にそれ以外の身体的な影響を予防することが出来ます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因は、気道(空気の通り道)が閉塞(詰まって)しまうことです。肥満などによる首の周りの脂肪や扁桃肥大(アデノイド)などが要因といわれています。
しかし、日本人の場合には人種的に顎が小さい(小顎症)ことによる場合も多いといわれていますので、必ずしも肥満体形の方のみがSASになるわけではないことがわかっています。
簡単なセルフチェックができますので、まずはご自身でチェックしてみてください。
SASの最大の合併症は高血圧です。治療によって、血圧の低下を認めることがあります。 また、心筋梗塞や狭心症、不整脈の発症を2~3倍程度高くするといわれています。自覚症状がないからといって放っておかず、早めの治療が大切です。
SASは、生活習慣病(メタボリックシンドローム)と密接な関係があります。SASによる不眠や倦怠感によって日常生活の運動がおろそかになり、糖尿病やメタボリックシンドロームなどが悪化をし、さらにSASが悪化をするという悪循環(負のスパイラル)に陥ります。どこかで、その鎖を断ち切りましょう。
実はSASの患者さまは、SASを原因として起こる様々な合併症でいろいろな診療科にかかっている可能性があります。